イスラエルでは、ハイテクを中心とするサービス輸出が過去最高水準に達する一方、国内で生み出された利益のうち海外投資家に帰属する割合も拡大しています。
イスラエル中央統計局が2026年9月に発表した国際収支統計によると、2026年第2四半期(4~6月)の財・サービス収支は約70億ドルの黒字となりました。なかでもサービス収支は102億ドルの黒字を記録し、統計開始以降で過去最高となりました。サービス輸出額は四半期で約270億ドルに達し、そのうちハイテクサービスは177億ドルと、企業向けサービス輸出の約73%を占めました。
一方、海外との所得収支では78億ドルの赤字となりました。これは、イスラエル国内で事業を展開する海外企業・海外投資家が得る利益が増加していることが背景にあります。
2026年第2四半期に海外投資家がイスラエルへの投資から得た所得は137億ドルに達し、前年同期の85億ドルから大きく増加しました。その約85%は、企業への出資などの直接投資による所得でした。
海外直接投資も過去最高水準に
海外からイスラエルへの直接投資も拡大しています。2026年第1四半期には158億ドル、第2四半期には143億ドルの海外直接投資が記録され、2026年上半期の合計は301億ドルとなりました。これは2025年通年の258億ドルをすでに上回る水準です。
特に、AI関連企業を含む海外資本傘下の企業で収益性が高まっていることが、海外投資家への所得増加の一因となっています。
なお、統計上の直接投資には、企業が得た利益のうち株主に配当せず、事業に再投資した「未分配利益」も含まれます。そのため、今回の統計だけから、海外投資家の利益のうち実際にイスラエル国外へ資金が流出した金額を特定することはできません。
高度なハイテク産業と海外資本
イスラエル経済では、ハイテクサービスが輸出と成長を支える重要な産業となっています。一方、AIをはじめとするイスラエルの技術企業への海外企業・投資家による出資や買収が進むことで、イスラエル国内で生み出された利益の一部が海外投資家に帰属する構造も強まっています。
今回の統計は、イスラエルのハイテク産業が国際競争力を高め、海外からの投資を引き付けていることを示す一方、「イスラエルで生み出される技術・サービスの輸出」と「その利益が最終的に誰に帰属するか」には変化が生じていることを示しています。
今後、AIを中心としたハイテク産業の成長と海外からの投資が続く中で、こうした資本構造がイスラエル経済にどのような影響を与えるかが注目されます。
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