臨床AI分野のグローバルリーダーであるAidocは、米金融大手ゴールドマン・サックスの成長投資部門が主導するシリーズEラウンドで1億5,000万ドルの資金調達を実施したと発表しました。
本ラウンドには、General Catalyst、SoftBank Investment Advisers、NVentures(NVIDIAのベンチャーキャピタル部門)も参加し、今回の調達により、Aidocの累計調達額は5億ドルを超えました。これは、General CatalystとSquare Pegが主導した前回の資金調達から1年も経たないうちに実現したものであり、Aidocの急速な成長と、エンタープライズ向け医療AIに対する需要の高まりを示しています。
米国では、診断ミスや診断の遅れが年間少なくとも40万人の死亡に関与しているとされており、その背景には画像診断件数の増加、医療従事者不足、医療の複雑化があります。AIはこうした課題の解決策として期待されてきましたが、多くの既存ツールは特定の疾患や用途ごとに開発されており、医療システム全体に大きな影響を与えるには限界がありました。
こうした中、医療機関では個別用途向けのAIから、病院全体で活用できる包括的な臨床AIへの移行が進んでいます。Aidocは独自の臨床向け基盤モデル「CARE
」を開発し、エンタープライズ向けプラットフォーム「aiOS
」を通じて展開しています。今年初めには、CAREが画像診断分野における包括的な基盤モデルベースのトリアージシステムとして、米国食品医薬品局(FDA)から初の承認を取得しました。
現在、Aidocのシステムは年間6,000万件以上の患者症例を解析しており、世界で約2,000の病院に導入されています。これは、医療AIが実証段階から本格的な普及段階へ移行しつつあることを示しています。
Aidocの共同創業者兼CEOであるElad Walach氏は、「2030年までに、あらゆる複雑な診断判断がAIによって支援され、より早期の発見と防止可能な医療ミスの削減が実現されるべきだと考えています。今回の資金調達により、対象疾患の拡大を加速するとともに、CTやX線画像における診断プロセス全体をAIで支援する仕組みを今後2年以内に実現したいと考えています」と述べています。
臨床AIの導入が病院全体へ広がる中で、重要となるのはガバナンスと規制対応です。大規模かつ複雑な医療システムにおいては、高度な技術だけでなく、実際の医療現場で安全かつ責任を持って運用するための管理体制が不可欠であり、Aidocはその両立を目指しています。
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